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空飛ぶお金

お金が飛んでいく。
万札に羽が生えて、どんどん飛んでいくよ~。

昨日、息子の歯列矯正がとりあえず終わった。
あとはリテーナー装置をつけて、歯列が逆戻りするのを抑える。
まだ月1で通う必要はあるけれど、なんていったってあの、
歯にぽちぽちや針金やいろんなものがくっついていないのだ。

すっかり綺麗に整った息子の歯並びを見ると、母も満足である。
ああ、本当にやってよかったと思える。

だってそもそもこの少年、前歯がほぼ真裏を向いて生えてきたんだから。
それを小学校の低学年から矯正して、歯の捻転を取り、一段階終了。
歯は見事に前を向いたけれど、やはり角度がおかしく、
噛み合わせもかなりまずかった。

そこから第二段階。上下の歯をきちんと整え、隙間を調整し、
その間息子はどんどん大人に成長していった。
ほぼ大人の歯並び、骨格になった今、第二段階が終了した。
後はどれだけきちんと管理し、綺麗なままキープするかという問題だ。

矯正装置のついていない歯で食べる朝食は、ことのほか美味しいらしい。
「食っべやすいな~!!」と朝から感動し、食欲もりもりである。
こりゃ太るわな。

そう、それで昨日はつくった「リテーナー代」が数万円。
そして今日は12月に行く、娘の研修旅行の代金を振り込んできた。
パリ・ロンドン11日間の旅!
贅沢だけど、思えば娘には家族で海外旅行にも連れて行ってやったこともなく、
あと1年ちょっとで就職してしまうことを考えたら、
もしかしたらこれが最後になるかもしれないと思い、行かせることにした。
というか、行かせてあげたかった。

だって美容師なんて、しばらくはかなり薄給だっていうもの。
娘は自分でも言っているが、「あたしは金持ちになりそうにない」。
うん、悪いが私もそんな気がするんだよ。
だからこんなに長い海外旅行は、もしかしたらこれが最初で最後かもしれないから。

そして来週は息子の修学旅行だ。
3泊4日。京都・奈良。前日朝から晩まで、それこそ初日京都駅に降り立った瞬間から
グループごとに完全自由行動。
かつては初日、いきなり京都のどこかのお寺に現地集合だったらしい。
見学料も交通費も昼食代も、全部自分達で予測して持参する。
結構な額が必要になる。場合によってはタクシーも利用することになる。

ああ、ほんとにもう、おろしてもおろしても、お金が消えてなくなるな。

「ココ掘れ!ワンワン」で掘ってみたら、大判小判がザックザク!
だなんて、なんて素敵なファンタジー。

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雑事に追われる

朝、母がチャイムを鳴らし、死にそうにどんよりとした顔で立っていた。
伯母(私の父の姉)が亡くなったという。
歳が離れているのでもう90歳を超えて、大往生だったとのこと。
お通夜は今晩6時から。

今日、母は青山の病院へ脳のMRIを撮りに行く日だった。
「どうしよう。病院キャンセルしようか?」と言う。意味がわからない。
MRIは3時から。終わってタクシーで帰って、遅くたって4時半までには戻れる。
一日にいくつもの用事を入れることを不可能と感じる母は、
半ばパニックになっている。頭の悪い犬のような目で私を見つめる。
どうしよう、ワンワン。

そして明日は11時から区役所の統轄センターの人が、要支援のプランのために
調査に見える日だった。
明日の告別式のためにそれを延期しなくてはならないと母は焦る。
早速私が電話し、別の日を予約。

朝から何人かの人に電話で予定を知らせ、昼間は病院で検査、
夜はお通夜でお寺へ行って親族に逢い、明日は告別式。
母にしては珍しく、活気のある日だ。
朝の馬鹿犬の顔はどこへやら、病院へ行く頃からやけに体調が良さそうだ。
顔がしっかりしているし、声にハリがある。
「血圧、今日は上が110あるの」と言う。そりゃ上が60の日とは比べ物にならない。
魂がココにある、って感じだ。

2時半受付3時からMRIだっていうのに、どうして12時57分にお迎えのタクシーに
乗り込まなくちゃいけないのか、私にはわからない。
早く行ったって、どうにもならないのに。想像どおり、病院へ1時40分には到着し、
結局長いこと待つ羽目になる。
まだ手をつけていない仕事を思い浮かべて私は憂鬱になる。

4時過ぎには帰宅し、結局私は明日の告別式に母に付き添うことになり、
今晩のお通夜に、姉二人と母が出向くことになった。お通夜のほうがラクだったなあ…。

姉いわく、よたっている母を見て周りも「明日はいいですよ、無理しなくて」
と言ってくれるのだが、「そういうわけにはいかない」と母は張り切る。
お通夜の席では母は生き生きと、声もしっかりしていたという。
人の目を気にして、自分の身体を支えないようにと、姉にきっぱり言い放ったという。

要するに結局、やらなくちゃいけないとか、行かなくちゃいけないとか、
人に会ったり、何かをこなしたり、そういうことが必要なのよね。
気持ちが張れば、血圧だって上がるのよね。

夕方帰宅した娘を、はしかの予防接種に連れて行った。
医者へはいつも娘一人で行くが、初めて行く小児科クリニックなので、
ちょっと気の毒かなと思い…。
小さな赤ちゃんやらがたくさんいて、娘と一緒に和んだ。
ああやっぱり、赤ちゃんはいいなあ…。

明日の午前中は10時に出発。母と告別式に。
夕方は息子の矯正治療が最終段階に入り、親がお金をもって
付き添うことになっている特別の日だ。

ああ…。ほんとにもう、ああ…ってかんじだ。

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個人面談

担任 「今回の試験の結果について、どう思う?」
息子 「まあ、いいんじゃないっすか」
担任 「いや、ほんとにいいのか?」

という会話がなされたという。昨日、学校で。
今日はこの間の中間試験の結果を受け取りに親が出向くという、
私的にはちょっと馬鹿げた日。
家庭によってはこの日をとっても重要なものと捉えていて、
中には夫婦揃って来ちゃうウチだってあるんだから。たった数分の面談のためにさ。
(その場合、大抵面談時間が引き延ばされてしまうのが常だが)

昨日息子からだいたいのことを聞いていたので、
もちろん驚くことも落胆することもなかった。当然の結果である。
国語と古典は平均よりもずっといい。
だけど理数系がひどい。特に「今回はよく解ってる」と言い切った
数量がひどい点だ。前日の晩、夜中の12時すぎにまだ、
提出の問題集を終わらせていないだけのことはある。

息子の担任は現国の教師で、なかなか洞察力に優れた男性だ。
息子のこともよく見ている。
「簡単に言ってしまえば、反抗期なんでしょうね」
そう。それ以外に言葉が見つからない。
「物の見方、考え方がひどく偏っている」というのが担任と私の共通意見。
試験直前になってから急に、馬鹿みたいに眠り続けているのが
逃避であろうということも、共通意見。

とりあえず今のところ進学は大丈夫のようだが、彼がこれからいつ目覚めるのか…。
「寝たいだけ寝て、目が覚めたら、すっかり気持ちが変わってた、なんてことは
ないでしょうかね?」と担任。
魔法じゃないからね。そんなことはないわね。

「でも、(学年順位でいうと)後ろにまだ、こんなにいるんですね」と
馬鹿母が言うと、「いや、そんなことで安心してもらっては困ります」
と言われてしまった。そ、そりゃそうだわね。

息子は昨日も帰宅後、夕飯までスヤスヤと眠り、食後は元気に音楽など聴き、
10時半過ぎに「腹がへった」と、また夕飯の残ったカレーを軽く一人前食し、
夜更かしするんだろうと思いきや、11時半にはまた、電気とPCをつけたまま
寝入ってしまっている。「寝てないよ」と寝ぼけながら言い、
夜中の1時前にもう一度声をかけ、PCをスリープ状態にだけして、
そのまま風呂に入らず歯も磨かずに寝てしまった。

今朝もいつまでも起きないので、「もう10時過ぎだけど!?」と声をかけると
「え?いつの?朝の?」と、すっとぼけたことを言う。
それから風呂に入り、「ああ~、良く寝た!」と言い、
息子が朝食を食べているところで私は学校へ面談に出かけたのだ。

雨の中、息子は池袋のタワレコとジュンク堂へ行ってきたようだ。
ふと見ると、着ているTシャツが後ろ前になっている。
いまだにそんなことをしてしまう。

先日、「雨が降るから傘持ってけば?」と私に言われ、
玄関のクローゼットから折りたたみの傘を持って登校した。
帰宅後「恥ずかしかったぞ。あの傘、お花模様のフリフリがついてて」と言う。
ぎょっとして息子の鞄を見ると、私が夏の終わりにバーゲンで買った
綺麗なレースの折りたたみ日傘が、雨に濡れてぐしゃぐしゃになったまま
つっこんであるではないの。
いくら晴雨兼用とはいえ、まだ1度しか使ってないやつだったのに。
「持ってく前に気づきなよ!」
「わかんねぇよ!黒い傘なんだから」
でも、傘袋にだって、レースの花模様のフリフリ、ついてるじゃん…。

少なくとも私は、息子のような男とは結婚できなかったろうな、と思う。
これから彼がどこまでどんなふうに成長していくのか、もちろん解らないけれど。

 「ヒヤヒヤしてます」
担任 「私もヒヤヒヤしてます」

という言葉で、面談は終わった。

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置き場

心の置き場所に困っている。
ここのところどうも、ドンピシャリの位置が見つからない、というか。

それはおそらく、3年先、5年先、10年先の自分の在りようが
明確にイメージできないからだろう。

例えば、住む場所は変わっているかとか、
母は元気でいるのだろうかとか、
生きてはいても呆けてしまっているのだろうかとか、
娘は独立しているのだろうかとか、
ひょっとして私は孫を抱いていたりするのだろうかとか、
息子は真っ直ぐ生きているだろうかとか…。

誰でも考えることかもしれないけれど、
少なくとも何年か前までに、漠然とイメージしていた未来とは
明らかに異なる景色が見えかけてくると、
やっぱり少しだけ不安定になってくる。

例えば、私は今の仕事を続けているのだろうかとか、
もしかして癌を患ってはいないだろうかとか、
きちんと自分のために料理をしているだろうかとか、
もしかしてまだまだずっと、
子供の面倒をみなくちゃいけない環境だろうかとか…。

大抵の荷物なら、背負える自信が私にはある。
肩のうえにラクラク背負って前を向いて歩いていればいいのだけれど、
時に立ち止まって深呼吸などしてしまうと、
荷物の重さにしばしたじろく自分がいる。

まあ、いってみればそれだけのことだ。

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予防接種

麻疹が再び流行り始めている。
九州とか西のほうでまたまた集団感染が見られたと知り、
来月に控えた息子の京都への修学旅行前に、
できるだけ早く予防注射をしようと思っていた。

試験だとか風邪ぎみだとかでなかなか実行できず、今日やっと接種した。
近所の内科へ問い合わせても、ワクチンは扱っていない、あるいは
取り寄せになるのでいつになるか解らないなどの回答。
近所の大きなこどもクリニックでは、麻疹単独ではなくMRなら
いつでも受けられると言われた。

昨年度の流行時に、息子の学校でも集団接種の話があった。
申し込んだもののワクチンが足りなくなるなどの事情から、
希望者だけ有料で行うという方式に途中で変わり、その手紙を提出期限の
朝、出かける直前に渡された私は焦って、「じゃあ、もういいや!」と
受けないことにしてしまったのだ。だけどやはりやっておくべきだったと後悔。

息子はどうしても、小児科のクリニックに行くことが納得できない。
2~3歳の子がうろちょろする中で、確かに息子の存在は異様だ。
だけどとりあえずここでしかできないんだから、仕方ないのよ。

今週、都立高校でも集団感染が始まったとのこと。
ああ、いやだ。高熱を1週間とか、大きな身体で発疹とか色素沈着とか目やにとか、
もう絶対にイヤ。どれだけ辛いだろうかと思うし、私だってどれだけ厄介かとも思う。
ああ、娘にも早く受けさせなくちゃ。

「4週間経ったら、今度はインフルエンザの予防接種をやってね」と医者は言い、
問診表を数枚渡される。なかなか商売が上手やな。
「10代の子はね、タミフルが使えないから、予防しなくちゃ」と言う。
う~む、インフルエンザもしばらく罹ってないからな、私も子供も。
今年はいっちょ、全員で受けますか。

しかし久しぶりに注射を受ける息子の静かな様子を見て、
ああ、大人になったんだなとしみじみ感じたものだ。

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羊雲を想う

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そういえば去年の今頃も、
こうして羊雲を眺めていたことを想い出す。

もうじき自分の生活から空がなくなることを理解して、
私は一年前の今頃、懸命に空を仰いでいたっけ。

確かに私の毎日からは、空と雲と風と光が無くなった。
部屋の窓から腰をかがめて、
無理して空を仰いでやっと、その日の天気を知る。
それでも夏は明るかったけれど、秋が深まるにつれ、
どんどん部屋は明るさを失っていくのだ。


だから今日みたいに、外出帰りに見上げた空があんまり綺麗だと、
私は興奮してしまう。自転車に乗っていても、空の美しさに感動して、
いてもたってもいられなくなる。
携帯をカシャカシャいわせていると、通りすがりのお婆さんに、
怪訝な目を向けられる。別に構わない。

去年の今日は、自宅の売却の本契約の日だった。
去年の10月の手帳のページは、細かい文字でビッシリ埋まっている。

この間、新しい手帳を買った。
もうすぐ、使い始めよう。

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眠り男の日々

眠り男、今日で中間試験が終わる。
試験中、毎日お昼頃帰宅しては昼飯の後、爆睡。
そして下手をすりゃ夕飯まで起きない。起こしても起きられない。

昨日は最後の科目も全然やっていないらしかったので、夕方何度か声をかけた。
「ほんとに、起きなくていいの?」と訊くと、「起きる」と言う。でも身体が動かない。
それでもいつもより短く3時間半の睡眠でどうにか起きた。

夕飯過ぎから、友人とのメールのやり取りか何かで、
何か些細なアクシデントがあったらしい。おそらくほんとにたいしたことではなくて、
息子ひとりがクヨクヨしているパターンの様子。
枕を持ってウロウロしている時は、何か不安なことがある証拠。

枕を抱えて私の部屋へ来てゴロゴロ。廊下で画鋲を廻してコマ遊びをしたりしている。
要するに勉強から逃げ、無駄に時間を潰しているのだ。
翌日提出の数量の宿題も終わっていないし、生物も手をつけていないと、
堂々と話していたのが夜中の12時。
呆れて言葉もなく、私は先に寝る。

それでも息子は爽やかに、5時55分には部屋から出てきた。
「寝なかったの?」と訊くと「どうしてわかる?」と言う。
そんなもん、顔見りゃ一発よ。
寝ないまま朝を迎えたのは初めての彼。ミョウにテンションが高い。
いつもと変わらぬパンを見て、「おお!旨そうだな!」と言う。
「鳥が鳴いてるな」などと、窓の外に意識を向ける。
五感が冴えているようだ。
「数量の宿題もやったし、生物もちょっとは覚えたよ。大丈夫だよ」
と、私を安心させる。
そしてやたら爽やかに家を出て行く。こんなに感じがいいなら、
毎日寝ないでいてほしいくらいだよ。

今日は息子の学校で修学旅行の説明会と保護者会があった。
そして来週は、今回の中間試験の結果をもらいに、また学校へ行って面談だ。
だから私は明日がお仕事。まったく2週も続けて学校へ行くなんてね。

息子は試験終了後、部活へ出て、7時近くに帰宅した。
寝ないままどうにか持ちこたえているようだ。先にお風呂へ入ったら?などと
勧めるものの、人の話などきくわけもなし。
「いや、まだいいよ」と言い、夕食後、すぐに部屋へこもる。
いつのまにか音がしないなと思ったら、案の定、
8時過ぎには寝息をたてて完全に寝込んでいる。おやおや…

「数量はかなりヤバイよ。30点くらいだ」と、暗めの声で言う。

定期試験というのは勉強をしなくては点を取れないということが、
何回やってもわからないようだ。
勉強すれば気が楽になるのに、どうしてそうやって自分をつまらなく
追い込んでしまうんだろう?そのくだらなさが理解できない。

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日常の風景

このひとつきあまり、娘は体調がすぐれなかった。
風邪による咽頭炎・喉頭炎に加え、声帯ポリープ、急性副鼻腔炎、花粉症と、
喉と鼻が踏んだり蹴ったり状態。

彼女にしてはかなり真面目に耳鼻科に通い、服薬を続けたのも、
ライブが2つ控えていたからであり、彼女の音楽活動とバイト生活に
影響するからだった。

このところどうにか症状が安定し、声が出るようになったという。
長いこと大きな声を出して歌をうたえないことが、
「どれだけのストレスになっていたか知らないでしょ?」
はい、私にはわかりません。

娘は明日、高円寺でライブ。
いつのまにか、ギターもずいぶん上達しているから不思議なもんだ。


息子の学校は例によって、試験の中休みというくだらない休日。
誰のための?何のための?
あまりにも頑張って勉強しちゃう生徒のための、休息日なのか?

息子のここ2~3日の睡眠時間は異常である。
勉強をしなくちゃいけない状況に追い込まれると、どうしようもなく眠くなるらしい。
普段はあれほど寝ないのに、ここのところいったん昼寝をすると、
どうやっても起きない。
食後にいつのまにか寝て、次の食事まで、起きない。
そして目覚めてまた食事をとり、その後、勉強したり遊んだりを繰り返し、
夜遅くまた腹が減る。そして食べる。そして朝方寝る。そして…

なんていうことを繰り返している。寝すぎ、食べすぎのせいで、
瞼と顔がはれぼったいように見える。とんでもないヤツだな。


そして私は今日も、母のおつきあいだ。
ブルンネンのパン小屋でパンを買っていると、ボーっとした表情の母が
「散歩に行こうかと思って…」と、フラフラしている。
顔つきが危なげなので、やめるように言う。
母はしゃがみこみ、「外の空気に触れたいのよ」と呟く。
車椅子でもいいから外へ出て、気分転換をしたいのだそうだ。

「あと30分したら出かけよう」と約束し、部屋に戻って
やりかけの仕事のファイルを閉じて、出かける準備をする。

車椅子を押して歩くと、道のちょっとした段差にもひっかかかることがある。
私の背がもう少し高ければ、握り手に上からグッと力を入れて、車椅子を
傾けることができるのだが、なんせチビだから、上からの力が入りづらい。
横断歩道を渡りきる最後の段差のところで、一瞬焦る。
まあこれも慣れだろう。

「まさか自分がこんなもんに乗るなんて、夢にも思わなかったわ」
と母は言う。そして
「(比較的近所に住んでいる)コーラスの○○さんに逢ったらどうしよう?」と
見栄を張る。

部分カツラをつけて、顔だけ見れば歳より明らかに若い母は、
いくら痩せたといっても、やはり私よりはずっとデカイ。
客観的に見るとこの親子、ちょっとバランスが悪いだろうな。

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シフォレの母

先月オーダーしたアデンランスシフォレが出来上がり、
今日、池袋のアデンラスまで出向いた。

いつものとおりタクシーを呼んでGO!
心配性の母は毎度のことながら早めに行動しなくちゃ気が済まない。
2時の予約なのに、1時5分前にはお迎えのタクシーに乗り込む。
だから1時半には着いてしまって、結局意味もなく時間を潰さなくてはいけない。

サンシャイン通りになんて、ろくな喫茶店がなくて、
いくらかまともないくつかは、なぜか今日はお休みで。
かといってほとんど歩くこともままならない母を連れて、
あっちゃこっちゃ行くわけにもいかず、ロッテリアに入った。
デニーズは階段だし、エスカレーターで上る店もイヤだというので。

「人が多くて落ち着かない」と母は言う。
体力がなくなってから人混みの中を歩くこともなくなったから、
すっかり恐くなってしまったようだ。

気の早い母は10分前には「もう行こう」と言い、
ビルの7階にあるアデランスに向かった。
廊下にそっていくつもの個室があり、そこから女性客の声が聞こてくる。
すごいな、結構満員御礼?
世の中にはお金持ちっているんだなと思う。

出来上がったカツラを持って美容師のオジサンが入室し、
合わせてくれる。母の髪を微調整するためにほんの少しだけカットし、
もう一度カツラをのせる。
合わせ鏡で見て、「あら、いいわね」と母も満足している。

カツラの洗い方の説明やら支払いやらなんやら結構時間がかかり、
店を出て、でも歩いてすぐの距離にはやっぱり入る店もなく、
すぐにタクシーをひろって練馬へ戻った。

夜になって、母はだんだん憂鬱になる。
「なんだか着けるの難しい…」とこぼす。
「自分で上手く着けられなくちゃ意味がない」としょんぼり言う。
「すぐに慣れるわよ。気が短いわね」と私は呆れる。
店内で見た時よりも、何度も自分でいじったせいか、どことなくパッとしない。
高い買い物だっただけに、なんとなく不安になる気持ちもわかる。

「お腹は空いてるのに、なんだか口が食べたくない」と、母は夕飯も進まない。
結局残ったご飯で小さなおにぎりを、そしてもうひとつ
小さなおにぎりをつくってあげる。
「足がイライラして気持ち悪い」と言う。
おにぎりを2個のせただけのお皿を「重い」と言うので、
持って行き、部屋まで付いていく。
ソファに寝させて、膝下と足裏をマッサージしてあげる。
「ああ、気持ちいい…」と言う。

しばらくして母から電話。
「おかげで元気になって、おにぎりを2個ペロッと食べられた」とのこと。
どうのこうのいって、半分は気持ちの問題なのかなと改めて思う。

やっぱりもっと、人からかまってほしいのよね。
大切にされてるなあと、感じながら暮らしたいのよね。
私だって、それは解るよ。

ただ私にも、需要と供給のバランスってもんがあるからさ。

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記念日

今日で一年が経った。
もう一年なのか、まだ一年なのか。自分でもほんとうにわからない。

一年前の今日、とんでもなく長い時間をかけて、区役所と郵便局を行ったり来たりして、
離婚に関連するあらゆる手続きを済ませたのだった。
夫婦揃って離婚届を提出しにいくというのは、どちらかといえば珍しいケースだろう。
私の手元にある戸籍謄本を見ると、子供の【親権】の欄の【届出人】が、
「父母」となっている。私はそこが気に入っている。

今年の5月に何のためだったかもう忘れてしまったが、戸籍謄本をとった。
そうだ、わざわざ板橋区役所まで出向いたのだったっけ。
初めて自分と家族の戸籍謄本全部事項証明というのを見て、
なんだか感慨にふけってしまった。そして少しせつなくなった。

私は結婚したからまずは「除籍」となっていて、【身分事項】に、
出生・婚姻・離婚・氏の変更 と並んでいる。
氏は見た目は変わっていなくても、「坂口」から「坂口」に
変更したことになっているのだ。(そういうところが馬鹿らしくてイヤ。)

私が生まれてから、出生届けが出されたのが10日後。
さすが三女だなという気がする。親の熱意が感じられないところが少し淋しい。
一応届け出たのは父になっている。

婚姻前の戸籍が記載されていて、私の両親の名前があって、
婚姻日と離婚日、親権者を定めた日がある。
子供達それぞれの出生日、出生届け日、届け人、等々、
当たり前だけれど、客観的に改めて文書化されたものを眺めると、
たった2枚の紙切れに自分の人生の縮図を見るようで、妙にしみじみとしてしまう。
そう、つい今さっきもう一度この謄本を眺めて、私はしみじみとしてみたのだ。

離婚の真意やまつわる様々な感情や経緯を、
娘はおそらく8割がた理解していると思う。そして息子はおそらく4割ほどだと感じる。
すべてを話すつもりもないし、話したからといって伝わらないところも多いだろう。
話さないほうがいいところもある。
理解度が異なるぶんだけ、息子の中での消化率も低いような気がしている。
もちろん年齢的なものもあるし、性差もある。
持って生まれた感受性の違いもあるだろう。

でも今はそれでいいと思っている。
息子はまだ、自分が何も解っていないことすら解っていないから。

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母のイヤリング

私の母は、食べることにも住まうことにも興味がない。
母が好きなのは、自分の身を綺麗に飾ることだけだ。
髪や肌、化粧、服、靴、バッグ、アクセサリー。
特に奇抜なものは好まないし、特別高価なものは買わないが、
私から見たら高いものばかりだ。

アクセサリーは、幼馴染の友人が宝飾デザイナーと結婚したこともあって、
お手ごろなものを購入する機会が多かった。
だから母は、本物の宝石を少しと、あとは大量のどうでもいいアクセサリーを
抱えている。ブローチや指輪、ネックレスにイヤリング。

私の娘は小さい頃からアクセサリーが好きなので、
よくおばあちゃんから色々なものをもらって喜んでいた。

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今日も夕方、母が箱を抱えてやってきて、
娘にイヤリングを見せる。
はっきりいって有閑マダムか
仕事のキャリアを積んだおばさんが
好みそうなものばかり。
派手派手しくて、おまけにゴツイ。
娘はピアスだし、今の私にはどれも似合わなそうなものばかり。
だけどもらってほしそうだったので、仕方なくもらっておいた。
歳をとったら似合うものもでてくるかもしれない。

どれもほとんどが安物なので(私には充分だと思う値段だろうが)、
気軽にしまっておくだけのことだ。

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眠り病

息子は眠る。
スヤスヤと眠る。

放っておくと午後まで寝てしまうので、私は迷う。
中学生をどこまで管理するべきか。指図までいかなくとも、
ある程度までは手助けしないと、完全にリズムを狂わせるのはとても容易だ。

だから今日だって「10時過ぎたけど、もう起こさなくていい?」などと
声をかけてみたりする。我ながら、無理のある言葉だと思う。わざとらしい。
どうにか起きてご飯を食べ、その後自室で何やらしている。
勉強はしていないらしい。

そして午後になり、勉強というよりそれ以前の、
提出分のドリルなどを解いているらしいことを後で知る。
ガンガンに鳴っていたハードロックやヘヴィメタの音楽がいつのまにか鳴り止み、
2時過ぎに遅いお昼にしようとドアをノックすると反応がない。
…寝ている。
声をかけても寝ぼけていて起きられない。

特製鮭たまごチャーハンは冷めていき、それでも息子はどうしても起きない。
3時半頃もう一度声をかけると、どうにか起きて飯を喰らう。
山盛りのチャーハンを「美味いな、コレ。絶品だ」などと言いながらたいらげる。
「いつ寝たのか憶えてないな」などと平気な顔で言う。
スタンドは机の上に開かれた数学のドリルを照らしている。
「いつのまにか音楽も消してたみたいだな」と言う。

部屋からトイレに行くときに手にしているのは音楽雑誌、あるいは将棋の本。
そして今、彼はベースの練習に打ち込んでいる。

ああ…。高校受験(他校受験)のことも本気で考えなくちゃいけないかしら。

この頃、静かだなと思うと、100%寝ている。
夕飯前だったり、夜の9時~11時ごろまでだったりする。
たまたま私が声をかけることでそれは発覚する。
要するに慢性的に睡眠不足なだけだ。早く寝ればそれでよし。
だけどそうするとその翌日また意味もなく夜更かしをする。

このくだらなさは、いつまで続くのか?
いつになったら、したいこととしなくちゃいけないこと、
取るべき行動、控えるべき行動なんかのバランスが取れるのだろう?

見ているだけで、内臓がモゾモゾしてくる今日この頃の私だ。

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スケジュール帳

この頃外へ出る機会があると、スケジュール帳を探している。

ここ3年くらい続けて使っていた同じシリーズの手帳が、
今年は全部厚型になってしまっている。
私は薄型を好んで使っていたのだが、いくら見ても、
どこにも薄いタイプのものが置いてない。

だいたい皆、そんなに几帳面に書き込むの?
厚いタイプのやつは、カレンダー型の一ヶ月見通せるページのほかに
全日時間刻みで細かく記入できるページが追加されているものだ。

毎日スケジュールがバッチリ入っている人以外は、どう使うっていうんだろ?
私も去年、仕事用にそういうノートを別に1冊購入し、
時間刻みで仕事の内容を書いてみたことがあった。

でも、忙しい時は充実してるんだけど、ちょっと暇ができると、
急に空欄になったりして、妙に空しいページになる。
もともとマメな人間ではないので、細かく書き込むことができない。
というか、継続することが難しい。


この頃は手帳も、9月始まりとか10月始まりとか1月、4月と、
様々なタイプのものが揃っている。
私が使っていたのは10月始まりで、去年はそれを、
実際には11月から使っている。
離婚したのが10月で、私の生まれ月が11月だから、気分的に11月が
新しい節目と捉えたのだろうと思う。
だから今年もまた11月から新しくスタートさせたいと思うのだが、
どうにも気に入ったものが見つからず、困ってしまった。

だいたい「いいかな」と思っても、中の数字の書体が悪かったり、
土日の色が安っぽいブルーだったり、なかなか細部で気に入らないことが多い。

手帳の完全オーダーメイドシステムなんての、お金持ちに流行りそうじゃない?
1冊作るのに、きっと何万もしちゃうけど。

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言いたい、でも言ってはならない

ここのところ、毎日葛藤しているのだ。

息子の中間試験が来週の火曜日から。
1学期は散々だったから、2学期はマジにしっかりやらないと、かなりマズイ。
いや、ほんとにマズイ。

いつも前日にちょろちょろとやるだけで、それでもどうにか平均よりやや下くらいを
キープするという素晴らしい息子?だったが、
前回はまったくやらずに臨んだので、当然の結果最悪だった。

別にどうでもいいのよ、順位とか。
ただ、高校に進学してくれれば。とりあえずは。

「今回はやる気あるんだ。大丈夫だよ」と言っていたのが3日くらい前。
一昨日試験の時間割が発表になり、
夜10分くらい、ダイニングテーブルで古典の勉強をしていた。

昨日は学校帰りに友達とカラオケに行き、
帰宅後も音楽を聴きながら、ずっと将棋の駒音を鳴らしていた。

「今回はやる気があったんだけど、実際やろうと思うと、やっぱ勉強はつまらないね」
と、すでに今日は言っている。
ついつい自分の立場をわきまえさせ、説教のひとつもしたくなる。
まずほとんどの親ならそうするところだろう。
だけど前回、学校側からの(進学に関する)脅しと、追い討ちをかけて
私からの言葉で、彼は不安ばかりが強くなり、身動きがとれなくなってしまった。

心配ならば勉強すればいい。だけどそれができなくなる。
いったん不安になるともう、不安に雁字搦めになってしまって、
本当に文字通り身動きがとれないのだ。勉強なんてできない。
現実逃避しかできなくなる。学校まで休んでしまった。

だから今回はとにかく堪えて、黙っていることにしている。
だけどついつい呆れて、言葉を滑らせてしまう。
さっきもつい、「宿題くらいはちゃんとやりなさいよ」
(試験直前にワークブックの提出などがあったりするので)と言ってしまった。
「うるさいな」と、イラついた様子で息子は言う。
…ああ、つい言っちゃったよ。

思春期の子供は厄介だ。ほんとうに。
とにかく指示的な言葉は受付けない。見放すような言葉もダメだ。

息子はなんとなく、私がグチグチ言うのを待っているような気がする。
いつもそうやってゲームをしかけてくるのだ。
でももう、のらないぞ。絶対にのらないぞ。
毎晩意味もなくグダグダとPCに向かって2時くらいまで起きていることも、
1時近くにならないとお風呂に入らないことも、
だから眠くて授業中寝てしまうことも、結果余計に勉強がわからなくなることも、
もう、知らない。いくら言ってもどうにも変えようという気持ちがないんだから、
もう、どうにもならない。

しかし変わるとしたら、何をきっかけにして変わるんだろう?
女の子みたいに、なんとなく自然と大人になっていく、みたいなのと違って、
男の子には「ココ」というポイントがあるんだろうか?
「これはもう、さすがにヤバイぞ、オレ」っていう実感?
「ちょっといいかげんマズイだろう、オレ」という自覚?
尊敬できる人の厳しい言葉?頼もしい背中?

最近改めて思う。
男と女はまったく違う生き物だな。
解り合うなんて、ほんとうに至難の業。
解らないのが当然なので、とりあえず、どこまで歩み寄れるか、
その努力をする気があるかないかが問題だということだ。

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チマメ

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これ、なぁ~んだ?

ワケのわからない写真になったが、
これは私のやたら丸い中指の先にできた血豆である。

ポッコリと、いぼのように盛り上がっている。
掃除機の、ちょっと説明しづらいところに挟まれて、
スゴイ痛みを感じたと思ったら、
みるみるうちに血豆ができた。
こんなもっこり血豆ははじめてかしら。

キーボードが上手く叩けないことに今、気づいた。
まだ、痛い。

おまけに夕飯の支度をしている時に、セレベスにかぶれた。
サトイモにかぶれることは滅多にないが、
なぜか左手首と左の甲の指の付け根に、とんでもないむず痒さを覚えた。
何度も洗い、キンカンをつけてもおさまらず、しばし悶えた。

なんだかついていない今日この頃。
風邪もまだ抜け切らない。

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またも激変!ビューティコロシアム

この番組だけはつい、見ちゃうのよね。
だって、好きなんだもん。人が変身するのが。

またも今回、やりすぎだってば!大塚美容整形外科の半田さんったら。
手を加えなくてもいいところまで、ぜーんぶフルコースでいじっちゃうんだもの。
あまりにも整形顔になっちゃって恐いです。

しかし毎回思うよ。
外見が変わることで、本当にどこまで気持ちが変わるのか?と。
急に声のトーンが上がっちゃって、笑顔になっちゃう人が多いけど、
ほんとにどーなの?
その後の人生に、自分で責任とれるのかと、逆に心配になったりする。
被害妄想傾向のある人は、整形後、大丈夫なのか?
今度は街を歩くたび「あの人、ビューティコロシアムの整形女よ」
と言われることだって当然あるはず。
そんな時、自分の顔が綺麗になっていたら、もう何を言われてもOKなのか?
そーなのか!?

極端なケースを除いたら、だいたいは、元の顔のほうがいいなあと
私なんかは感じることが多いのだけど、大事なのは本人の思い込みだからね。

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鼻から水…

鼻水、とかいうよりこれは、ほんとに鼻から水が出ている、そんな感じ。
ティシュが間に合わないと、床にポタリと垂れてしまう。
汚くないわよ、だって水だもの。?


先週が都民の日だということもあって、9月の中旬から4週間続けて月曜休み。
ハッピーマンデー制度だなんて、そこそこ年収のある、
土日休みのサラリーマン家庭のことしか考えていないのよね。
3連休だからどこか遠出して、レジャー費、外食費なんかに、バンバンお金を
使っちゃってよ!ってことなんでしょうけれど、
子供の学校が休みのために、困っている親だって沢山いるのが現実よ。

などとへそ曲がりなことを思いつつ街へ出ると、
なんだか嬉しそうなカップルだとかがやたら目につくんだな。
うきうきと手なんかつないで、二人で食材なんか買出しに来ちゃったりして、
ああそうか、こんなふうに連休を堪能できる人たちだってきっと大勢いるのね、
と考え直す。そしてちょっと虚しくなる。

私はなんていったって鼻から水が止まらない女なので、
目の奥がボーっとして、左の鼻が詰まったまんまで、
結局この連休を有意義に過ごすこともできず、口で息をしているだけだ。
なんだか、目つきの悪い犬みたいなことになっている。


今使っている我が家の冷蔵庫は、買ったときからダメなヤツで、
庫内のプラスティック棚が何箇所か割れてしまったし、
なぜか冷凍庫の引き出しのしまりがイマイチだ。
ゴムパッキンがピシッといかずに、どこからか冷気が洩れて、
おかしなところに氷の板ができてしまう。それでまた閉まりが悪くなる。
だから冷凍庫内に霜がつきやすくて、結果冷凍食品の劣化が早い。

この冷蔵庫を購入してから何年経ったかを知りたいのだが、
取説には日付は記入されておらず、保証書も捨ててしまったようだ。
「ねえ、この冷蔵庫買ってから、7年くらい経った?」と娘に訊くと、
「まさか!?5年くらいでしょ!?」と言う。いや、5年ってことはないはずだ。

要するに私は、久々に大きな買い物でもして憂さを晴らしたいらしいのだが、
買い換えるほどの年数でもないので、さすがに迷っているということだ。
それでもついつい冷蔵庫の悪口を娘にこぼすと、
「そんなに欲しけりゃ買えばいいでしょ!」と切り捨てられてしまう。

淋しいもんだ。

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すっかり秋

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なんだ。いつのまにか、すっかり秋じゃないの。
夕焼けの様も、夏とはどこか異なる風情。

空が染まるころから、陽が完全に沈むまで、
どこか空を広く見渡せる空間で、
ゆっくりと眺めていたい。

だけど現実の私は風邪ひきで。
喉が痛くて困っていたら、あっという間に鼻にきた。

娘も夕べ熱を出した。
どうやら風邪がとても流行っているらしい。

昨日、娘と高円寺まで、自転車を走らせた。
最近開けたという、おしゃれな通りには行かず、
あえてレトロな古いほうの商店街で遊んできた。

食欲だけは衰えない。そういう風邪。
咳も出て、バイトを休んだ娘はだから、意味もなく食べている。

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カード売却に骨を折る

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息子が小学校~中1のはじめ頃までにコレクションした、
遊戯王カード&デュエルマスターズ(だっけか?)カードを、
売却する決断をした。

彼はネットで調べ、親の同意書をプリントアウトして
私が署名押印したものを持って、今日、練馬春日町まで
出かけていった。
100枚の束をいくつも持って。

汚いカードも沢山あって、
でも中には価値のあるレアカードも含まれているのだという。

息子の予想を裏切って、店内はまず自己申告制。
自分で全カードを確認し、紙に記入したものを店側が確認するような形らしい。
遊戯王カードだけで1800枚ほど。2400円ちょっとの収入になった様子。

それでも2時間以上店の中に立ち続け、地味な作業を続けたらしく、
想定外のことで昼食も食べ損ね、腹ペコの疲労困憊状態で帰宅した。
デュエルマスターズのほうは手をつける余力がなく、持ち帰ってきた。

昔、息子の欲しいものは、とにかく「カード」だった。
誕生日にもクリスマスにも、とにかくカードを欲しがった。
低学年の頃はそういえば、ポケモンカードだったっけなあ。
これがぜーんぶお金に変わったら、どんなに素敵だろうと何度も思ったものだ。

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映画鑑賞は中断ばかり

今週は映画を観る時間がありそうだと思い、ツタヤで先週DVDを2本借りていた。
「アルフィー」と「死ぬまでにしたい10のこと」。

この間観た「アルフィー」は、あともう少しってところでピンポンが鳴り、
母が玄関口で座り込み(2分と立ち続けることができない人)、どうのこうの言う。

ジュード・ロウはやっぱりハンサムで、どこから見てもハンサムで、
欲をいえば、顔と肩幅のバランスがイマイチ好きではないのと、
歩き方と歩いている時の左右の足のバランスが好みではない。
…って、どれだけ細かいんだ?

今日は「死ぬまでにしたい10のこと」。
これは日本でも結構宣伝に力を入れていたっけね。
末期癌の患者にはあり得ない行動をとってるけれど、まあそういうことは
あまり問題ではないということで。
娘が以前一人で観たらしく、
「もうじき死ぬって時になって浮気をするっていう設定がどうしても許せない」
と言っていた。

17で初めて恋をした男とすぐに子供が2人できてしまい、
幸せながらもどこか諦めた人生、死ぬ前にもう一度恋をしてみたいという
想いは、なんとなくこの歳になれば解る気もする。

だけど今日も案の定、母が玄関の外にいる。
ピンポンは鳴らさずに、でも玄関ドアをガチャリと開ける音。
玄関を見てもドアは閉まっている。
玄関モニターをつけて見ると、頬のこけた母が座ろうとしている瞬間が映る。

仕方なく出て行くと、宅配クリーニング屋のオジサンが
バイクに乗っていて車にはねられ、危篤だという話をする。
いろいろ考えていたら、不安になったのだろう。

ちょっとここのところ、私もマイっているよ。
母蚕が出す繭糸に、雁字搦めになっていくようで…。

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幸せじゃない人

なんやかや、公私ともに忙しかった9月。
それなのに10月に入って、たまたまこの一週間、
穴に落ち込んだように、ゆとりがある。
ルーティンワークはあるけれど、それ以外のところが、
まるで誰かに操作されているみたいに、時間が空いたのだ。

でも、残念ながらヒマではない。
月曜、火曜と母の用事に立ち会ったり付き添ったり、
火曜日の晩には「明日お客さん来るの?」と、
あやうく水曜日まで縛られるところだった。

水曜日は前から予定が入っていたのでしっかり断った。
でも水曜日の夜は夕飯当番の日だし。
そして今日は、渋谷のほうの病院まで付き添い。
往復はタクシーだ。歩けない母と運転できなくて車もない私では、
それ以外に術がないのだ。

担当の女医さんはすごく気さくな方。
一年に一回、検査をするためだけに通っている。
「お嬢さん3人が傍にいるなんて、幸せじゃないの~!」と医師は言う。
「何がそんなに心配なの?」と訊く。

母の受け答えは明らかに去年までのものとは違う。
目が一点を見つめていて、動かない。顔も身体も固まっている。
声もよく出なくなった。

「水中ウォーキングとかどう?もっと高齢の方がやってるわよ」と
医師は勧めるが、考えるまでもなく、100%あり得ない話だ。
強引に誰かに誘われてでも始めるような母だったら、
75歳の若さでここまで衰弱していないはずだ。

火曜日に行って聞いたクリニックの検査結果では、
尿検査も血液検査も、どこひとつとして問題なし。いくらか貧血気味という程度。
もともと丈夫な人なのだ。

今日は私が医師とも話して、一度脳のMRIを撮ってみようかという話になった。

「なんでもやってもらってるんでしょ?甘えてるのね?」と
医師は冗談まじりに言う。

診察が終わって「お腹が空いた」と母は言う。
ビルの中にある、中華もイタリアンも和食も、母はろくに食べられやしない。
外に出て歩くこともできないので、ビル内の珈琲館に入る。
母はアメリカン珈琲とホットケーキを食べる。

昨晩うちに来て夕飯を食べた時も、ちょっとムカつくくらい食べない。
少し前までは食べ切れないと「ごめんね」と言って、「明日食べるから
持って帰るわ」とか言ってたのに、無言で半分くらいお皿に残し、何も言わない。
サラダも箸をつけて、そのままほとんど残す。
何を食べて生きているのかわからない。

母はとにかく我儘な人だ。
「卵って好きじゃないのよ」「マヨネーズは嫌い」「ケチャップって好きじゃない」
「マグロは赤身でなくちゃ食べられない」「魚は嫌い」
「肉がかたくって。ヒレのやわらかいのをほんの少しでいいのよ」等々、
挙げたらキリがない。

人から見たら恵まれているのに、ちっとも幸せじゃない人間っている。
親の生き様を見て、老い方を見て、日々考えさせられることばかりだよ。

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仲間入り

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COBECOBE(コービーコービー)ちゃん、
お二人様、仲間入り。

定期的に新しいファッションのコービーちゃんが
発売されるようだが、
揃えるつもりはもちろんなく、
もともとそれほどのコレクター気質でもなく。

ただ久々にちょっとグッときたので購入。
ちびコービーも。
ハロウィンのかぼちゃのTシャツ着てるのよ。

私の有り余る愛情を、ぶつける対象がいないので、ぬいぐるみをいとおしんでみる。
うさぎとか飼ったら、癒されるかなあ。ブームだもんなあ。
でも動物は、すぐ死んじゃうからイヤだ。

やっぱり次は孫よね、孫。
「バアバ」とか呼ばれたら、とろけるな。

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えのきボーヤ

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えのきボーヤは信州生まれ。

いつものクセで何気なく、
袋の上からえのきの根のほうを切り落とした。
切り落とした瞬間、イヤな顔が視界に入った。

包丁は、えのきボーヤの鼻から下を、見事に切り落とした。
「イテッ…!」
えのきボーヤが一瞬、叫んだような気がした。
切られたからきっと、こんな顔をしてるのね。

それにしても、なんでこんな顔してんのよ? 
えのきボーヤ…

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サーマルリサイクル

この間テレビで、ちょっとだけ情報を中途半端に聞きかじったせいで、
このところゴミの分別法に疑問を抱いていた。
ほら、今までキッチリと不燃ゴミとして分別していたものなんかが、
全部可燃ゴミになっちゃうってやつよ。

廃プラスチックのサーマルリサイクルって呼ぶらしいわね。

私の住む練馬区はどうなの?
いったいいつからなの?
どこにそんな情報載ってるの?
と、真面目な私はここ2~3日、懸命に新聞やチラシの束の中を探したけれど、
ああ、馬鹿でした、私。
練馬区はまだ、取り組んでいなかったのね。

でもなあ。
いくら埋立地が限界だとか言われても、ダイオキシンは大丈夫だとか言われても、
ほんとに長いこと、プラスチックとかラップとかあらゆるものを
細かく分別してきたんだから、東京都のほとんどの良心的な人間は。

それが急に、「何でもアリっすよ」と言われてもねぇ…。
今までの苦労は何だったのよ?と言いたくなるではないの。

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ストレス

う~~~む……
ストレスが溜まっているのである。

今日の午前中は、母のために空けていて、
明日の午後も、母のために空けていて、
しあさっては朝から一日、母のために空けている。
今週は奉公ウィークである。

9時半に区役所から介護保険認定に関わる調査の方が見えて、
私が立ち会うことに。この頃母は何でもかんでも私に立ち会わせる。
終わったのは11時。
さらさらと質問に答えれば、おそらく30分もあれば済む内容なのに、
母の話は長くって、毎回ゲッソリする。

だって例えば排尿・排便に困難はあるかどうかの質問にだって、
「私が○歳の時に、盲腸の手術をしましてね。○○病院で。
その時に担当だった女医さんと、もうひとりの男の先生が、
『あれ、卵巣が腫れてるかな?ついでだから見てみようか』って、
私の頭の上で相談してるんですよ」なんてエピソードから始まってしまう。

要するに、その時ちょっと必要以上に大きくお腹を切ったために、
腸に癒着が起きやすく(その真偽もわからないが)、そこに便が溜まりやすい。
それで以前腸の検査をしたら宿便があって、それからアローゼンという
薬を飲むようになった。
「その薬は妹も飲んでいて、私の友人も長年飲んでいて、でもこの間
読売新聞に、マグネシウムがいいって書いてありましてね。
それで…」と、延々とどうでもいい話が続いてしまう。

結局この間初めて行ったクリニックで処方してもらった薬がとても良かった、
という話に落ち着く。
「それは良かったですね」と言っていただく。

「先生、ひとつ質問していいですか?お恥ずかしい話なんですが…」
などと、またも便の話題で役所の方に質問などするので、
さすがに私が割って入り、
「まあまあそれは今度、先生に訊いてみたら?
腸の専門家ではいらっしゃらないんだから」と言うと、
「すみません、私、ドクターじゃないもので」と、役所の方も笑ってくださる。

歳をとると、どうしてこう、話が長くなって、横道にそれて、
どうでもいいことばっかり付け足しちゃうようになるんだろう。
○○病院の○○先生とかいったって、相手は知らないよ。

ひとつひとつの質問に対して、すべてがこんな調子だから、
まあ、長いこと長いこと。
老人相手だから慣れていらっしゃるだろうとは思いつつ、
やはり次の予定もあるだろうと、私はいつもヒヤヒヤしちゃうよ。

「明日は3時15分前に出るわね」と、車椅子担当の私に母が言う。
だんだん、私が行って当然と思うようになってきている感じだし。

「あのね、私、お客(クライアントさん)さんが来ていないときのほうが
どっちかっていうと忙しいのよ。やることはいっぱいあるの」と
この間説明したけれど、わかっていないみたいだな。

仕事のツケは夜の時間にまわる。う~~む…。
「ああ、忙しい忙しい~!!」が口癖の長女と(そのくせ休みにはよく遊びに行く)
気まぐれで病弱な次女。
三女は疲れました…。

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